ビットコインは通貨ではない、物なので売買益に課税される?
標題の様な事が一週間ほど前に新聞に政府見解として書かれていた。
これは変な事を書いていると思った。
先ず、通貨ではない。それはそうだろう、通貨というのは、何処かの主権国家が法律で流通させている貨幣の事を呼ぶわけで、これは国際契約の際に通貨単位の定義などで経験した人もいると思う。たとえば、JPY is lawful currency in Japanの如き定義だ。
さて、それは良しとして、ビットコインは物だろうか??
これは相当疑わしい、日本には物権という権利に関する用語があるが、日本の法律では訳の分からないものは物ではないのではないか、疑問が残る。民法85条。たとえば、お化け、幽霊は物か?否か? 当然、物でも人でもないだろう。
まあ、それでも良い。ひょっとすると、換金業者に指名債権として物権を持っている可能性はあるし、そもそも、換金業者に預金があるというのは、銀行法および類似の法令や出資法など関連法令に抵触している様に思える。なんで、証券業者が苦労してMRFなどという迂遠な口座を開設しているのかを考えれば理解できる問題だ。つまり、証券会社には預金は預けられないからだ。
次に、仮に「もの」であるにせよ、通貨であるにせよ。居住者の売買益は基本的に課税される。
もちろん、一般的に基礎控除的な思想は貫かれているので、一定の範囲では免税かもしれないが、物の売買であろうが、通貨であろうが、課税されるという原則には違いがない。
多くの人が誤解しているかもしれないが、外貨預金の為替差益は課税対象だ。ただし、一定額以下の年間所得の人の場合で、年間益が20万円以下の場合は申告免除になっているという運用だったと思う。つまり、通貨なら免税ということはない。FXというものをした事がないので良く知らないけど、FXは業者に売買手口による益が判る書面を税務署に届ける義務が近年課されたはずだ。
したがて、ビットコインが「もの」であろと「通貨」であろうと、課税対象であることには違いない。しかし、ものでも通貨でもない場合はどうなるのだろうか、それでも、一時所得ぐらいにはなるのではないか。一時所得も一定額は基礎控除があるが、多額になると他の所得と一緒に課税対象になる。
可笑しな記事を読んでしまった。
余談ながら、米ドルだって、我が国では通貨ではない。では、何だ。外貨か。外貨は日本の通貨ではない。ビット・コインは外貨でもない。では、物か、本当に物なのか。
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Comments
くーすけ 様もパチンコなる娯楽遊戯を御存知かと思います
個人的には博打にしろ球技にしろ打ち物は弱い性質でしてどうにも手を出す気が
起きないのですが詳しい方に話を聞くとあれは賭博の類ではないとのことなのです
あれはパチンコ玉を購入しパチンコ玉自体を増やす遊びで、増やしたパチンコ玉を
物品として景品と交換したり売買しているという理屈なのです
どうにもこれは人の眉毛を数えて化かそうとする歳を経たカワウソの企みに思える
ので眉に唾を塗らず居られないのですが…………
今回のビットコインについての くーすけ 様のお話を読むに当たり「ああこりゃパチンコ
の電子版だな」などと思った次第であります
世間と言う流れを巧みに泳ぐカワウソに眉を数えられないよう注意したいものです
Posted by: . | March 13, 2014 02:11
ぼかあ、パチンコは殆どやったことが無いなですが、あれは明らかに賭博ですよね。刑法の解釈を捻じ曲げていることになりすよね。成文法国家で解釈で取り締まられたり、許されたりしたら、これは人治国家に成り果てるわけで、なんとも寒い気分です。
Posted by: Kuusuke TARO くーすけ太郎 | March 13, 2014 16:20