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February 03, 2015

節分天井彼岸底

今日の日経平均下落は、10年国債入札不調発だと云う。ほゞゼロパーセントのyieldでも入札する方もする方だが、この様な日が来ることを、幸田真音「日本国債」というおよそインサイダーが書いたとは思えない、或いはわざとインサイダー(国債市場関係者)が書いた様に思われないように素人表現したのかもしれないので評価は留保する、この小説が極めて現実的視点から予言していたカタストロフィー。

その日がやってきたのかもしれない。

「節分天井彼岸底」というのは相場格言だか何かの言い回しなのか知らないが、覚えやすいので記憶していた。「安値1000日、高値3日」の方は格言なのだろうか。まあ、どうでも良い。

入札未達(応札額が足りない)というのが、「日本国債」暴落のシーンだった。

未達となると、弱気が弱気を呼び、国債価格は暴落する。・・・破局のプロローグである。
この辺りの着眼的はシッカリしていた。いつか、そんな日は来るのだろうと思った。

国債市場が不安定になると、株式市場に伝染する。それが、今日の出来事だったのかもしれない。

国債金利は一般的にゼロ以下にはならないと「信じ」られている(現実にはゼロ以下は発生している)ので、金利オプションの世界では、金利モデルに色々細工する場合がある。つまり、金利ゼロ近傍でのボラティリティー(標準偏差のパーセント版の様な物)は限りなくゼロになるというモデルさえある。このモデルにおいては、ゼロ近傍の金利変動は限りなく一ノッチ(一刻み)が小さくないと表現できないのだが、現実にはそうもいかず、一ノッチの刻みがボラティリティーに比較して大きく見える。したがって、少し価格が動いたとしても、異常な動き、つまりVaRに抵触することになり、売りが売りを呼ぶ、これを当時、VaR shockと呼んだ。その後、VaRモデルは洗練されてきたはずだ。仮に昔のような粗相が起れば,arbitrageの餌食になってしまうだろう。

なお、VaRショックについては、理解しないで書いている紙もあり、一般的には銀行勘定のリスク管理計算の誤謬による連鎖反応のように捉えられている。まあ、ことほど左様に銀行経営者というのはリスク管理の科学に精通しているわけではなくて、一部のエンジニアが書き上げたマニュアルを理解せずに判子(ハンコ)を押している実態がそこにはあるだろう。新聞記者も良くわかっていないし、市場関係者当人も良くわかっていないという恐ろしい実態が有る事に気づいている人は少ない。

でも、よくよく精査すれば判る筈だか、そもそも社会現象としての金利相場の動きを正確に記述するモデルなどというものは、仮説の域を出ず、その仮説は複数回検証できないのが相場という力学様の「場」の性格なので仕方がない。つまり、追試出来ない現象の観察なので、常にモデルは仮説以上には成りえない。

かつては、局所的にブラウン運動だとされ、正規分布を予定してモデルが構築されてきたが、いまでは、広範に正規分布が成立すると確信している人は居ないのではないか。いずれにしても、推論の域は出ない。ブラック・スワンを記述するモデルも提唱されているが、これも仮説だと云ってしまっても、反論は出来ないと思う。ここが、物理現象の観察の様に時間を掛ければ再現可能だという科学とは異なる世界だということだろうか。

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