Af-s Nikkor 300mm F/4.0E VR
今年手に入れたレンズの中で、Af-s Nikkor 300mm F/4.0E PF ED VR(ナノクリスタルコート)は脅威のレンズだ。形式銘のPFは多分Nikkor 初の銘ではないか。
先に想定される弱点を書けば、フレアに弱いかもしれないという点。これについては今後フィールドで確認したい。位相フレネル式(PF)というちょっと理解に苦しむ仕掛けがあるらしい。単なるフレネルレンズであればわかり易いが、色収差補正に使うという、多分狭隘ピッチの同心円のアッベ値が異常値を示す有機物を他のレンズ表面に接着したものではないかと思うが、有機物でしかも異常アッベ値性能を持つ材料が有るのかどうか知らないので、これ以上は書けない。
有機物と僕が断定したのは、フレネルという構造をインプリントできる可塑性を持つフェーズがある材料でかつ、一種のダブレット構造に出来る硝材は有機材料しかないのではないかというロジックだ。ま、有機物材料は結構可笑しなアッベ値が出る可能性はありそうなので、単体ではレンズに出来ない様な柔らかい材料を事実上のダブレットとして他のレンズに接着することは出来そうだ。
このレンズは先代のDタイプが好評であったこともあり、それを超える描写性と機動性を併せ持つというコンセプトで開発されているらしい。
何よりも驚くのが、小さくで軽い。大きさは大三元の中核24-70mm F/2.8Gとほゞ同じぐらいであり、標準ズームに見間違える。重量も800gを切っている。
僕は殆ど望遠レンズは使わないし、それでも必要な時は使うとしても200mmどまりだ。で、最も頻繁に使うのは、70-200の系列。現在てもとにあるのは、ニコン用70-200mm F/2.8のタムロン製と、Nikkorでは70-200/4.0G VR、SONY FE 70-200/4.0の三本。ま、タムロンのはイマイチの古いタイプなので、シリアスシューティングではNikkor かSONYを使う・・Nikonの方が良いレンズだと思うけど、SONYの小型カメラは捨てがたいので、遠征はSONYが多い。
で、それより長いレンズは無いのかといえば、ないことはないのだが、何れもボーっとしていて、200mmをトリミングしても大差ない。特にAf-s Nikkor 70-300G VRは現役のレンズだが、どうも使いたくない。概してこの70-300と云うレンジはズーム倍率が4倍を超えることもあり、望遠端が良くない。
で、割り切ってタムロンのA17を頻用することになった。このレンズは先に書いたNikkorよりも更にぼーっとしているが、まあ、使えない訳でもないし、新しいSONYに付ければ一応手振れ補正も付く・・・安い割には使い勝手が良い。
AiAF 80-400mm F/4.5-5.6D VRという古いズームも持っていたが、最近知人に譲った。望遠を好む人に使ってもらう方が有効利用だし、Lensにとっても良いとおもったからだ。
いずれにしても、このクラス(300-400mm)のズームはオマケの望遠端というイメージが強かった。
で、300mmクラスは単焦点と思ってきたが、流石に300/2.8は大砲だし、300/4.0はVRが付いてないので、手持ちは無理そうだし・・・と逡巡していたところで、この新型位相フレネル式レンズが登場した。
暫く品薄状態が続いたが、ようやく手元に届いた。
覗きこむと吸い込まれそうなレンズだ。
当面は被写体が思いつかないが、何れその実力が出る場面で試したい。