念のために書くが、僕はニコン嫌いでも、アンチでもなんでもない。古いユーザーだ。
Capture NX-Dというのは、如何にも、如何にもの感じだったので、此れまでbeta版を少し使った以外、本番は入れていなかった。というのも、NX-Dに然程の魅力を感じなかったことと、NX2を長年使った者には違和感があったからだ。
今回、ひょんなことから、直観的にインストールしてみみて、Nikon D3300のRAWファイルを現像してみて気づいたことがある。
横位置の画像では異常を発見することは無かったのだが、縦位置の画像で変な事が起こる。
以下の3枚は、①撮って出し、②水平補正のみ実施、③水平補正した後、端がイビツなので少しだけ補正したものだ。それぞれ長辺1200ピクセル 3対2アスペクトだ。
① オリジナル

② 水平補正

③ 水平補正と端の僅かなトリミング

これ視た人は誰でも気づくと思うのだか、②と③は勝手に異常なクロップが発生している。これの改善方法を色々探したか見つからない。なお、NX-Dはシルキーの如く、縦ピクセルと横ピクセルを定義するのではなくて、長辺ピクセルと短辺ピクセル数を決めるやり方なので、縦横を誤ったオペレーションをしたわけではない。
これって、何だろうか。
なお、念のために横位置の画像ではこのようなオカシナことは起こっていない。
これでは使い物にならないのだが____。
webで議論されているかどうかは知らないが、これでは使えないという怒りが起こってもよさそうなのだが、意外とRAW現像なんてやらないのだろうか??
メーカーオリジナルソフトによるRAW現像というのは、実に重要なオペレーション(画像リソース)なのだが、このNX-Dは16ビット/chにも対応しておらず、極めて中途半端な存在だ。
ダイナミックレンジの解像度(8or16ビット/ch)はその後のレタッチ耐性に大きく影響するのに、この様な中途半端ではどのように使ったら良いのか不思議でならないし、Nikon D810/750などは既にCapture NX2非対応なのでなおさら困ったものだ。
メーカーオリジナルRAW現像ソフトが最もそのカメラのRAWファイルの特性を知り尽くしていると聞かされている。特にCamera Rawは酷過ぎるのでそのような話になったのかもしれない。共通ソフトこそスタンダードだと思っていた者には、目から鱗だったのだが、確かにアドビーで現像するよりもCapture NX2で現像する方が良い調子と解像力を提供するようだ。
此のことはシルキーにもいえる。つまり、シルキー現像は万能性能ではないのだ。
変なたとえ話を書く。
ライカはネイティブRAWソフトがアドビ(DNG形式)なので、PhotoShopかLightRoomがネイディプといえる。で勿論シルキーはサードパーティーとなるのだが、明らかにアドビで現像した方が限界的な色が豊富に出る。つまり、けちょんけちょんに云われているアドビcamerarawでさえオリジナルとして使われるときは綺麗に出るという逆説でもある。
この話の以前の話、今の事情は知らないが、LUMIXは伝統的にシルキーをバンドル版ネイティブRAW現像ソフトとしてきた。これは卓見だったのだが、当初の頃はLUMIX現像に限るという縛りをかけていたので、他メーカーに流れた人はシルキーの直観的オブレーションになれてこれにスティクするという算段だったのかもしれない・
一般的にアドビは鮮鋭だが、ノイジーで、シルキーは調子は豊富だから、シャープネスに欠ける。この双方の利点、弱点を見ても、RAW現像というのは一様には出来ない。メーカーオリジナルが必要な事情はここにある。
非情にセンシティブな人々はオリジナルRAW現像をしてから、アドビで調整するという作法の様だ。
だから、NX-Dが変だととても困る人が多く出るはずなのだが、不思議でならない。